Project story 01 食品業界の未来を拓く「イシダびと」

vol.1
マッチング計量機GCW
誕生ものがたり

あなたが好きな冷凍パスタは、イシダの技術が支えていた!?

Project Team GCW開発チーム

A・Mさん イメージ
プロジェクトリーダー

プロジェクトリーダー T・K(2005年入社)
マーケティング・商品企画部

豊富な人脈と製品知識とともに前向き発想と豪快な笑顔で突き進む。
商品企画から営業まで「GCW」誕生を導いた立役者。

A・Mさん イメージ
開発リーダー

開発リーダー M・S(2005年入社)
開発部

学生時代からグッドデザイン賞の獲得を予言した有言実行の朗らかな開発者。
ロボットハンド×マッチング計量の新技術を考案。

A・Mさん イメージ
開発担当

開発担当 N・R(2021年入社)
開発部

入社一年目で「GCW」プロジェクトに抜擢された大型新人。
足把持機能にこだわり三種類のロボットハンドを開発。

Project Outline プロジェクトアウトライン

1.未踏の自動化分野への挑戦

イシダは、社会課題を解決することを使命とし、長年にわたりさまざまな自動省力化システムを開発、提供してきた。現在、社会は人手不足や労働環境の改善、労働時間短縮といった課題に直面している。食品業界では、これらの課題に取り組みながら生産性向上や安全・安心な商品提供の要求に応えなければいけない状況であり、さらなる自動省力への期待が高まる。今回は、イシダの自動省力化への挑戦、多くの企業が挑戦しながらも実現できなかった自動化システムの開発に成功した事例をご紹介する。

2.「組み合わせる」ことで定量計量を可能にするコンピュータスケールの開発に成功。

イシダの代表製品は「組み合わせ計量機」だ。かつて一個一個の重さが違う固形物(ピーマンなど)を、機械的に定量計量することは難しかった。しかし、多くの現場で一つひとつ手作業で計量される光景を見たイシダは、この誰もが成し遂げられなかった課題に向き合うことを決めた。そして複数の計量を同時に行い、それらを「組み合わせる」ことで定量計量を可能にするコンピュータースケールの開発に成功。それから約50年後、「組み合わせ計量機」では、定量計量が難しいパスタやきんぴらのような高付着性食品が、長年の課題として残っていた。イシダは、かつて「組み合わせ計量機」を開発したときと同じように、お客様の要望に応えるべくこの困難な課題に挑んでいた。

Chapter 1 第1章

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お客様の要望に応えたい、想いを胸に挑戦は始まる。

イシダの根幹にあるのは、お客様の要望に応えたい想いだ。近年、ライフスタイルの変化に伴い、冷凍食品の需要が急増し、食品メーカーやコンビニエンスストアも、この分野に注力している。しかし、食品製造現場では深刻な人手不足に直面しており、特に過酷な作業環境では人材確保がさらに困難に。付着性が高く不定形のパスタのような総菜は自動化が特に難しく人手に頼ってきたが、人手作業には限界があり、正確かつ迅速な作業が難しいうえに食品ロスの問題もあった。しかしここ数年、冷凍パスタは生産量第5位になるほどの人気食品だ。

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そんな世間の状況を把握し、多くのお客様の課題解決に貢献してきたプロジェクトリーダーのTはこう語った。「イシダにはさまざまな食品に対応した自動計量機器があります。ただパスタのような柔らかく付着性の高い食品には、なかなか対応できませんでした。しかし、なんとか自動化できないかというお客様の要望が、年々増加していることも感じていました。」イシダに根付く想いと理念は、今でもしっかりと引き継がれている。Tは多くのお客様の声を聞き、この課題に挑戦することを決めたのだ。

Chapter 2 第2章

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組み合わせ計量機の発想で
人の手に代わる複数ハンドを

ロボットハンド活用を提案したのは、開発リーダーMが率いるチームだ。さかのぼること2017年、創業130年に向けてイシダでは、新たな自動化機器の推進を提唱。そこでMはチームで新製品の検討をはじめた。“三現主義”(*)が身についているMはまずは食品工場を視察。視察で印象に残ったのは、作業員が熱々のパスタを盛りつける姿だった。火傷の危険を伴う重労働を自動化できればと、長年研究を進めてきたロボットハンドの技術を活かし、パスタの自動盛りつけ機を試みる。「取り組んで思ったのは人の手の優秀さです。熟練作業者はパスタ200gを感覚でつかみとれる。それをロボットハンドが担うのは非常に難しい。しかし難しいからこそ挑戦しがいがある」。

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試行錯誤を繰り返すなかで、Mは「組み合わせ計量機」の発想にたどりつく。“1本でだめならば3本、いや4本でどうか?”と、複数のハンドで何百回ものテストを重ねた。1年ほどかけて、複数ハンドでパターンを算出するマッチング計量技術を編み出した。同時に食品バットを左右に移動させ作業を倍にするなどの工夫も取り入れた。

*イシダの行動規範「現場に行く、現物を見る、現実を知る」

Chapter 3 第3章

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開発の鍵となるロボットハンドを新入社員に任せる
イシダ的発想

製品化の目途がつき始めた2020年、Tがプロジェクトリーダーとして合流。Mの話を聞き、「これは売れる!」 と膨大な研究データをもとに商品企画書を書き上げた。経営陣への熱のこもったプレゼンで、プロジェクトが本格的に始動。2021年には、新入社員Nが参加する。新人が実機の担当なんて!?とN自身も驚いた。 ロボットハンドの形状や可動域を細かく調整するなど、パスタ以外に対応できるようにと開発を進めた。「すごく大変でした。でも新たなものを創り上げるのは楽しかった。3種類のハンドを開発しました」、とNは誇らしげに語る。テスト版が完成するとTは、食品メーカーへプレゼンに向かう。「まったく新しい機器なので実証実験が必要。トライアル依頼のプレゼンにも力が入りました。」

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Chapter 4 第4章

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ロボットハンドとマッチング計量、ラクラク清掃で業界からも賞賛の声

トライアルを重ねるなかで、さらなる仕様変更も 。当初12本だったハンドは効率を考えて16本へ増設した。また清掃のことを踏まえて、食品が接触する部分は、工具レスで着脱できる設計に。直前まで改良を重ねて、 2022年6月「GCW」が発売へ。パスタの自動定量計量機器として始動したものの、Nが開発したハンドによって切干大根や佃煮・昆布、きんぴらやマカロニサラダなどの不定形な各種総菜に対応できる機器になった。食品製造現場からは、「ようやく自動化できる!」「こんな機械を待っていた」など引き合いが殺到。「現在も50~60件の商談が進行中です。長年の課題を解決できたことはうれしい。しかしサイズダウン新機能などの次の開発ははじまっている」。発売直後から次の展開を目指すTの姿勢は、開発チームのいい刺激となっている。

Summary 最後に

マッチング計量機の開発の背景には、現場を大切にする姿勢、お客様の要望に応えたい熱い想い、困難な課題に挑戦するイシダの理念があった。そして理念は、開発や商品企画といった部署を超え、またベテランと新入社員をつなげ、確かなチーム力をもたらした。そんなさまざまな想いが合わさったからこそ、日本ロボット学会「実用化技術賞」、FOOMA2024「優秀賞」、公益財団法人日本デザイン振興会「グッドデザイン賞」の受賞につながったのだ。

Project Message プロジェクトメッセージ

イシダでは、Nさんのような新入社員が入社直後から重要な開発案件を任されるのは珍しくありません。これは食品業界を支え、未来を拓く会社として挑戦し続けるイシダの文化そのものです。開発だけでなく営業、商品企画、生産管理などさまざまな職種が日々新たな改善、変化をし続けています。あなたも「イシダびと」として食の未来を変える新技術の開発に挑戦してみませんか?ここでは、あなたの斬新なアイデアと情熱が、業界を変革する原動力となります。

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