京都から世界へ躍進。
イシダは老舗優良企業として伝統を受け継ぎながら、
時代のニーズに応じて挑戦し続けてきました。

創業

1893年

「衡器製作修覆販売所 石田音吉」開業

イシダの歴史は、日本最初の近代的計量法と呼ばれる「度量衡法」の施行とともに始まります。1893(明治26)年の「度量衡法」制定に合わせ、「衡器製作修覆販売所 石田音吉」が開業しました。
計量機器の製造と販売は従来の許可制から免許制となり、行政側は職人を一カ所に集めて製造できる場所と設備を必要としました。そこで、当時事業家であり、政治家(府会議員)としても活躍していた二代目石田音吉が社会奉仕の想いから一手に引き受けたのが創業のいきさつです。

「石田衡器製作所」のハッピを着てくつろぐ従業員

新たな出発

1953年

戦後初の躍進期

戦後の積極財政が打ち出される中でも、長年の金融引締めにより中小企業の動きは低迷しており、計量業界でも売れ行き不振、回収率の悪化と重なって前途多難を呈していました。
そのような中で、イシダは国内初の自動上皿天秤を発売。「石田式自働上皿天秤」を始めとした画期的な新製品の発売により業績はきわめて好調で、他社を引き離し業界をリードしていました。

自動上皿天秤
石田式自動上皿天秤のカタログと推奨文

デジタル時代の幕開

1963年

計画経営のスタート:滋賀工場の誕生・モットー制定

1963(昭和38)年、創業70周年にあたり石田隆一は創業110周年までの10年ごとの長期構想を発表しました。
それは「日本の中堅企業に仲間入り」することを至近の目標とし、110周年の時点で「世界に冠たる中堅企業」へ成長するというもので、滋賀工場(現:滋賀事業所)の完成に併せて掲げました。
また、独自性を重んじ強固な経営基盤を築くため、後のイシダの根幹となるモットーとして「目標:BiggestよりもBestの会社」「理念:“三方良し”の精神」「社格:智徳一体の社風」の3つが制定されました。

滋賀工場第一期工事竣工式で重成前社長へ報告する隆一社長

1968年

ピーマンに挑戦:組み合わせ計量機開発

1968(昭和43)年の夏、高知県の農業協同組合から舞い込んだ「ピーマンの自動計量の開発依頼」がきっかけとなり、イシダの主力製品となる「組み合わせ計量機(コンピュータスケール)」が開発されました。苛酷な開発条件は、製品化が危ぶまれるほどの困難を極め、数年にわたる試行錯誤を経て、「重さと大きさの異なる固型物(ピーマン)を1分間に60袋を誤差2g以内に抑えて定量袋詰めする」という画期的なシステムが完成しました。
このことがきっかけとなり、世界初の組み合わせ計量機が誕生し、マスコミでも大々的に取り上げられ、以後、イシダは業界のパイオニアとしてあくなきチャレンジを続けてゆくことになります。

昭和48年に宮崎県西都市農協へ20台納入した組み合わせ計量機
等級・規格表をもとに勘を頼りにピーマンの袋詰作業をする農家の主婦

1969年

電子秤の誕生

昭和40年代はあらゆる分野が電子化へ乗り出し、革命的な製品が相次いで発表されデジタル化の幕開けとなりました。
イシダも電子秤の開発に注力し、1969(昭和44)年春、電子計算機能をもつ商業用自動秤「デジタル75」の発表を皮切りに、本格的なデジタル時代を迎えます。

電子秤1号機 デジタル75(昭和44年発売)

世界を代表する中堅企業への道

1983年

全国発明表彰特別賞を受賞

1984(昭和59)年度全国発明表彰で「組み合わせ計量機(コンピュータスケール)」が、業界初の栄誉となる特別賞を受賞。天皇陛下、常陸宮殿下ご夫妻のご臨席のもと受賞式が執り行われました。
また、同製品は、日本機械学会が認定する「機械遺産」にも2017(平成29)年に選出されました。

組み合わせ計量機で全国発明表彰特別賞を受賞

1984年

世界に広がるイシダのネットワーク

1984(昭和59)年に英国・米国に駐在事務所を設立したのを始まりに海外展開へのネットワークを強化するようになります。
英国現地法人「イシダ・ヨーロッパ」、アメリカ「イシダ・アメリカ」設立と、日・米・欧の3極体制を着実に整えつつ、90年代にかけて韓国やブラジル、シンガポールにも生産、販売拠点を設置し体制強化を進めました。

イシダ・ヨーロッパ

1985年

世界初のテレビ画面付計量値付機を開発

1985(昭和60)年 にインフォメーション・プリンター「IP-2110」を発売。世界初のテレビ画面付計量値付機としてパソコンにハカリを合体させ、誰でも簡単に操作できる仕組みは他社に類を見ない画期的な製品となりました。

IP-2110

1986年

国内販売組織の充実

1986(昭和61)年、東京支社誕生。国内販売組織の事業拡大にあたり、最重要となる関東拠点の強化に乗り出します。
同時に、急速な都市化に伴う中堅スーパーや一般小売店などの新規進出が著しい有望市場として千葉、埼玉、北関東エリアの拠点開拓にも着手し、関東一円のマーケットの囲い込みを展開しました。

関東圏の販売体制を強化(東京支社)

グローバルNO.1を目指して

2000年

上海石田が稼働

2000(平成12)年、中国・上海にて新工場が稼働。中国内取引の受注で開始当初より製造が殺到し、フル回転の状態でスタートを迎えました。
2019年には新社屋も竣工し、上海石田はアジアの重要拠点として機能しています。

上海石田

2003年

表示分野への展開:電子棚札開発

2003(平成15)年、日本を代表する大手ナショナルチェーンでのイシダの電子棚札(ESLシステム)導入決定が流通業界の大きな話題となりました。
1998年の発売から販路開拓に苦心していた中で、このことがきっかけとなり大手量販店や地域重要店などの流通業界への導入が一気に加速され、イシダの電子棚札は70%におよぶ高いシェア率を誇るまでになりました。

電子棚札H-ESL

2010年

環境配慮型製品:ノントレー包装機開発

2010年(平成22年)ノントレー包装機を発売。全国のスーパーマーケットや小売店向けに包装トレーの省略化と環境負荷低減を提案する本機の開発は、開発者が現場で目にしたある出来事から着想したもので、イシダの「三現主義」の行動規範を体現する製品ともいえます。
環境配慮型製品として、市場と消費者の両方から高い評価と支持を受け、2010年(平成22年)にはロハスデザイン大賞(モノ部門)、2010年(平成22年)には(株)食品産業新聞社主催・第40回食品産業技術功労賞『環境・CSR』部門を立て続けに受賞しました。

第5回ロハスデザイン大賞受賞

2015年

滋賀事業所再開発

創業120周年記念事業として、滋賀事業所の再開発が進められ、2013年にC棟(加工技術センター)が竣工、2015年には、A棟(製造エリア)・B棟(検証エリア)が竣工しました。その後、D棟(ロボットセンター)が竣工するなど、モノづくりの拠点として現在もなお発展し続けています。

滋賀事業所

2018年

ダイナミック計量システム「IMAS-G」が全国発明表彰にて、日本商工会議所会頭賞を受賞

IMAS-G(アイマス ジー)は、加速度と力の計測から質量を推定、「はかる」と「運ぶ」を同時に行う動的計量を可能とした世界初の計量ユニットです。様々な搬送機や移載機器の先端へ搭載でき、FAラインの省スペース化・作業時間の短縮を実現しました。

IMAS-G
全国発明表彰授賞式

今後の展開

2021年

イシダは1893年に創業して以来、京都から世界展開を目指して飛躍を遂げてきました。
これからも業界のリーディングカンパニーとして食の「安全・安心」「自動化・省人化」に貢献し、社会から必要とされる優良企業として世界へ挑戦し続けます。

2021年5月に東京支社の建替が完了。京都本社も2023年に新社屋が竣工予定。