電子天秤の誕生
昭和40年代に入って急速にエレクトロニクス技術が発展してきました。あらゆる分野が電子化の波に乗り、たとえば事務機械工業では電子技術の応用によって文字どおり革命的な製品が次々と登場していました。電子卓上計算機、電子会計機、静電式複写機といったものだが、これらは従来、メカニズムで処理してきた機能を電子化したものです。いうまでもなく、電子産業の主役は、それまでラジオ、テレビ、冷蔵庫、テープレコーダーなどといった家庭用電気製品だったがその展開の中で築き上げられてきたトランジスタなどの半導体技術、電子制御技術が次第に産業用電子機器の発展を促がします。
電子秤の最大の難点は精度。1000分の1の精度を実現しようとするとアナログ方式だと実質的には0.2ないし0.3の誤差はそれほど影響ありませんが、デジタルだと実質的には3000分の1の精度でなければ1000分の1を安定して確保することができません。秤機構の変位量を重量に対応させて電気信号に転換させ、トランスジューサーを経て光電管に表示するという仕組みのなかで、信号をとらえるスリット板やコード板の目盛をいかに小さくし、全体をどのようにしてコンパクトにするか、それが技術上のポイントであった。
電気的にはスリット板やコード板が大きいほどキャッチしやすいのだから、このまったく相反する要素を折り合わせるかと言うところが一番の難点であった。
製品もエレクトロニクスの技術が進歩するにつれて、次々とラインナップが拡充され、計量を中心とした機能複合化の動きが現れてきました。